ゼミ紹介

少人数の学生が先生の指導を受けながら特定のテーマについて主体的に研究・発表・討論するゼミは、受け身の学習になりがちな大教室での授業を補う重要な場です。ここでは、3年次に開かれるゼミ(専門演習Ⅰ)の内容を紹介します。

憲法ゼミ(近藤敦)

ゼミ生による紹介

近藤(憲法)ゼミでは、まず始めに、自分の興味のある憲法のテーマのアンケートをとります。そのテーマが似た者同士が集まって、ゼミの中で5人前後のさらに少人数のグループを作ります。そして、そのグループで興味のある判例を選び、その判例を研究し、ゼミのメンバー全員の前で発表することとなります。発表のあとには、質疑応答の時間を設け、他のグループからの質問に答えます。ですので、発表者は、他のグループからの質問に耐えうるだけの資料を用意し、知識を身につけておく必要があります。それを繰り返していくことで、あらかじめ他のグループからの質問を想定し、それについて資料を用意し答えられるようにしておくというプレゼン能力が身につくと思います。ちなみに、グループは4グループあるので、だいたい一ヶ月に一回、発表の順番が回ってきます。

後期になると、そのグループでの判例研究発表と並行して、個人でのゼミ論文の作成が始まります。ゼミ論文は、自分でテーマを決めることができます。自分の研究したいことを、本当に自由に決められるので、やりがいがあります。話が非常にわかりやすい近藤教授や優しい大学院の先輩方から、論文の書き方、文献検索の仕方や法律用語などを教えてもらい、アドバイスをいただきながら作成していくので、論文などを書いたことがない学生でも安心です。最後には、全員のゼミ論文を集めて一冊の文集にするので、良い記念にもなります。

憲法ゼミ(植木淳)

植木の担当するゼミでは、前期に判例研究を行い、後期に自由報告を行う予定にしています。判例研究では、各自の関心に応じて憲法に関する最新判例を研究して頂きます。そこでは、具体的な事件を前提にして、条文→学説・判例→具体的事件の解決という思考をとることによって、法的思考力(リーガルマインド)を修得することを目的とします。次に、自由報告では、各自の関心のある社会的テーマに関して、法律学・政治学等の社会科学的知見に基づいて報告して頂きます。

何よりも参加者に求めたいのは自分の意見を述べることです。「わかっている人が意見を述べることができる」のではなく「意見を述べていればわかってくる」のです。公共的な問題について、大学における演習という公共的空間(ないし擬似公共的空間)において、「調査」「報告」「討論」することを通じて、一人の市民・社会人として将来必要とされる素養を身につけていただきたいと考えています。従って、専門的知識を習得するということもさることながら、学生らしい自由で闊達な議論をしていただきたいと切に願っています。自分の意見を遠慮することなく主張し、相手の意見を真摯に聞いたうえで議論するという、ある意味では学生だけに許される経験を体験してください。

地方自治法ゼミ(渡邊亙)

このゼミナールでは、地方自治に関するさまざまなテーマを参加者全員で検討することにより、わが国の地方自治の現状について理解を深めるとともに、その将来のあり方についての問題意識を磨くことを目的としています。地方自治は、広義では、都道府県および市町村における政治・行政およびそれをとりまく社会現象すべてを指します。いわゆる「国政」に比べると地方自治は、市民にとって身近なテーマであるだけでなく、その果たすべき役割の拡充、すなわち「地方分権」の推進は、今日のわが国における最重要課題であるといっても過言ではありません。ゼミナールでは、まず、地方自治法の規定を手がかりに、現在の地方自治がどのような制度のもとで運用されているのかについて、正確な知識を身につけます。つぎに、たとえば「都構想」などの現在進行中の地方分権推進のための諸政策について検討を加え、ゼミ生それぞれが、将来の望ましい地方自治のあり方について考えることになります。ゼミナールでの報告および質疑応答を通じて、ゼミ生は、地方自治に関する知識や問題意識を身につけるとともに、プレゼンテーション能力やコミュニケーション能力を鍛えることができます。また、担当教員や他のゼミ生との様々なつきあいを通じて、友達関係とは違った人間関係を築く経験もしてもらいたいと思っています。

租税法ゼミ(伊川正樹)

法律学の中でもマニアックな科目の租税法ですが、税金は非常に身近な問題です。法律学としての税法学を、ディベートを通じて学ぶというのがこのゼミの特徴です。

ディベートは、あるテーマについて、自分の意見は別として、賛成・反対それぞれの立場に立って意見を主張しあう討論ゲームです。相手側の主張を聴いた上で、自分の主張を伝えるためには、議論の内容に応じて臨機応変に対応する能力が必要です。チーム内の問題意識を共有し、資料を調べて主張としてまとめ上げる作業を通じて、個々の力をチームとして結集することの重要性と難しさを学んでいます。

日頃の活動の成果を披露する機会として、毎年、大学対抗租税法ディベート大会に参加し、他大学の学生と真剣勝負を行っています。こうした経験を通じて、論理的な思考力やコミュニケーション能力を身につけています。

また、ゼミ対抗スポーツ大会でも毎年好成績を収め、文武両道を実践しているゼミです。

行政法ゼミ(北見宏介)

出版されている『六法』の大部分のページを占めるのが行政法。行政、つまり役所の組織やいろいろな活動に関わるたくさんの法を扱う科目です。社会で起こることのほとんどが行政と関連しているだけに、どんなことでも行政法のネタになり、すべてゼミで扱うテーマの候補になります。

最終的に論文(演習レポート)を執筆してもらう各々のテーマは、参加者とのゼミ時間内の話の中で決定していきます。ただ例年は、参加者の関心のあることを明確にする、またそのテーマについて検討するための基礎的な知識も身につけるということで、まずは行政法に関わる代表的な事件などについて発表と議論を行ってきています。発表の準備のために、附属図書館でのガイダンスを必ず受講します。

無断欠席厳禁、少人数なので居眠りは一発でばれる、など、通常の講義よりもしんどいことは間違いありませんが、その分だけ得るものも大きいと思います。

行政法ゼミ(笹岡克比人)

ゼミで取り組むテーマ
行政法でアカデミックに語ることができるテーマであれば、何でも取り組むことができます。例えば、科学技術の発展を担う国立研究開発法人の組織と機能、常に国民の関心が高い食品表示制度など、講義で用いられるテキストではほとんど触れられていないテーマも、このゼミではテーマとなり得ます。もしかしたら、新しい発見ができるかもしれません。これが、行政法の本当の面白さです。

年間計画
前期は、行政法に関する各自の関心テーマを基本にグループを作り、関連する重要判例などを素材にゼミ報告を行います。後期は、夏休み中に各自が作成したレポートを基礎として、ゼミ報告と論文作成を行います。

履修を考えている皆さんへ
知りたいことを調べて、言葉を紡ぎだすのは、楽しいことです。でも、それには、作法を心得えておく必要があります。真摯さと、ほんの少しの勇気をもって、参加してください。 そして、議論を通して紡ぎだした言葉によって、他者にどう貢献できるのかを、常に問いかけてください。この問いかけができることは、社会人としても大切です。社会に飛び立つ準備をしている皆さんにとって、このゼミが素養を高める契機となれば嬉しく思います。

刑法ゼミ(伊藤亮吉)

ゼミ生による紹介

伊藤(刑法)ゼミでは、前期にゼミの中で少人数のグループを作り、グループ毎に判例を研究し報告することとなります。報告後は、質疑応答の時間を設けゼミの皆さんからの質問に答えます。したがって、報告グループはメンバーそれぞれがあらかじめ質問を予測し、知識を身につけておく必要があります。これによって刑法的思考方法を修得し、説得力ある論理力を身につけることが出来ます。

11月末または12月初めに近隣他大学の刑法ゼミが集まっての刑法討論会が行われます。後期のゼミはこの討論会への準備に充てられます。この準備と討論会を通じて自分自身の考え方の幅を広げ、チームでのコミュニケーションの重要性を感じることが期待されます。

これら以外の活動として、法学部ゼミバレーボール大会への参加や、法廷傍聴、ゼミ合宿、刑務所見学などがあり、課外活動も充実しています。大学を卒業し、社会に出てからは刑務所内に入ることは中々ありません(と信じています)から、刑務所見学は特に貴重な体験になるかと思います。

このゼミで厳しく楽しく学び、絆を深め、「ゼミ生は最高の友である」と思える仲間を作り、残り2年間のキャンパスライフをより有意義なものにしていきましょう!

民法ゼミ(柳勝司)

ゼミ生による紹介

柳ゼミでは、民法学、中でも親族・相続を中心に日々学習しています。民法が苦手な学生でも学習しやすい様に、最初は民法の基礎的なものから学んでいきます。前期は、先生が出す課題の判例を自分で調べることから始まります。そして、与えられた判例を以下の六つの項目ごとにまとめて資料を作成し発表を行います。①事件の概要、②判決(理由含む)、③問題の所在、④関連判例、⑤学説、⑥私見。発表者の資料を基に、ゼミ生同士で自由にディスカッションを行います。ゼミ生が希望すれば、模擬法廷を使用することも可能です。後期には、与えられた課題ではなく、自分が興味のある判例について調べ、前期と同様に発表を行います。また、自分が発表した判例について、ゼミ論文を作成することになります。ゼミ論文は、最終的に出版社に依頼し論文集を作成していただくので、とても良いものが出来あがります。

このゼミを通じて、判例を読む力や考える力、コミュニケーション能力を磨くことが出来ると思います。また、ゼミ生が自分達で自由に企画し、勉強以外での交流も深めています。先輩や後輩と合同でコンパを行うこともあり、授業や就職活動など、様々な話を聞く機会があります。私達のゼミでは、明るく楽しいゼミを心がけて活動しています。

民法ゼミ(川元主税)

民法は、学ぶべき事柄がとても多い法分野です。洪水のように押し寄せる知識を覚えるのに精一杯で、それが何の役に立つのかぴんと来ないという人も多いでしょう。しかし、本来民法は、社会で生じる様々な紛争を合理的に解決するためのツールであるはずです。その使い方に習熟することは、より安全に、より自信をもって社会生活を送る力を身につけることに他なりません。

このゼミでは、身近に起こりうる具体的なトラブル例を素材に、これまで蓄えてきた民法の知識を駆使して法的な解決とは何かを考えていきます。参加者どうしの活発な議論を通じて、筋道をたてて論理的に物事を考えることの大切さ、そして面白さを体感できるでしょう。1年間のゼミのなかで、学部の授業では関連性が見えなかった様々な制度や法理の有機的・体系的な結びつきを理解するとともに、それらを連動させて具体的な事例に適用し、合理的でバランスのとれた解決を探っていく能力を養ってください。

民法ゼミ(杉浦林太郎)

このゼミでは、前期は、民法判例百選に掲載されている有名な判例についての研究を行います。教科書等に「判例法理」として結論部分が掲載されている判例を取り上げ、改めて、どのような事実があって、どのようなことが争われて、どのような判決が出されたのかということを整理したうえで、その判例の射程や、判決の出された背景についても考えていきたいと思っています。後期は、判例、最近の判決、その他のテーマなどから、各自が関心を持っているものを自由に選択して、報告を行ってもらう予定です。

調べた内容を他の参加者に分かりやすいように報告をする能力と、報告を聞いて、報告内容を理解する能力、他の参加者と意見が異なる場合には自分の意見を述べ、議論を行い、より良い解決を探るという能力を鍛えることを目的としています。

ゼミは、参加している学生の皆さんがプレーヤーとなって進めていくもので、教員はあくまでも、サポーター、よくてレフェリー程度の役割しか演じません。ゼミの進め方や課外活動などについても、皆さんの要望をもとに、相談して決めていきたいと思います。

民事訴訟法ゼミ(前田智彦)

民事訴訟法という科目では、民事訴訟(民事の裁判)の手続全般が対象になります。自分自身や家族が日常生活の中で経験するできごと(売買、交通事故、結婚、相続などなど)やビジネスに関する問題を幅広く扱う民法・商法といった民事実体法の科目に比べると、民事訴訟という日常生活から縁遠い、限られたできごとを扱う科目とも見えます。しかし、民事訴訟は民事実体法をめぐる争い全般を幅広く扱う手続です。民事訴訟法では、多種多様な争いをどのようなルールに従って扱うのが望ましいのかという、実践的な問題を考えます。

また、民事実体法の内容には、「証明責任の分配」など民事訴訟の中でどのように問題になるかを考えることで、よりよく理解できる内容が少なくありません。

そんな民事訴訟法の判例を読みながら、民事訴訟法を基本に立ち返って(ときには実体法と照らし合わせて)学び直し、きちんと理解しようというのが、このゼミです。学説上の争点を具体的な判例を通じて学び、「なぜ議論になるのか」という基本から理解することを目指します。

民事訴訟法ゼミ(柳沢雄二)

ある人が他の人を訴えたとしても、訴えた人(原告)が常に勝つとは限りません。裁判所としては、原告の言い分のみならず、訴えられた人(被告)の言い分も聞いたうえで、どちらの主張が正しいのかを判断する必要があります。このような裁判は「手続(プロセス)」にのっとって行われるため、そこには一定の「ルール」が必要です。民事訴訟法は、こういった「ルール」を規律した法律ですから、裁判とは無縁の生活を送っている多くの学生のみなさんにとって、民事訴訟法が難しく感じられるのも無理はありません。昔から、「民訴は眠素(みんそ)(=眠りの素)につながる」と言われて敬遠されてきたのも事実です。

しかし、そのような民事訴訟法でも、具体的な裁判の場面では、当事者の思惑が働いたり様々な利害の対立が生じたりするため、興味深い点がいくつも見られるようになります。そこで、このゼミでは、主に『民事訴訟法判例百選[第4版]』に載っている最高裁判例を取り上げて、判決文(主に民集)、調査官解説(民集登載判例の場合)および百選のコピーをそれぞれ渡しますので、事前にこれらを読んできてもらい、下級審段階での訴訟当事者(原告・被告)の主張をも丁寧に確認したうえで、何が争点になっているのか、原告や被告は何を主張しているのか、そして裁判所(特に最高裁)はどのような判断をしたのか、さらにはその最高裁の判断をどのように評価すべきなのか、といった点を中心に検討していきたいと思っています。

企業法ゼミ(山本忠弘)

本ゼミは、企業法を研究するためのものです。企業自体やその取引、それらと関係するあらゆる問題に取り組んでいます。将来、経済社会や企業社会において、個々のゼミ生が自信をもって企業の未来を担うことができるようになるために、法的な知識を得ることを目的としています。ゼミの運営は学生主体でなされ、研究会や親睦会の開催なども自由に計画、予定されています。積極的なゼミ内でのコミュニケーションづくりは、このゼミの特徴です。

ゼミの進め方は、毎回、報告者がレジュメを全員に配布します。そして、報告を受けます。研究成果の発表です。次に全員の参加で質問、意見の交換となります。最後に、教員が総括します。この作業の繰返しを通じて、研究の深化とコミュニケーション能力の開発が行われていきます。また、この作業の集約がゼミ論文というかたちで集大成され、文章づくりにも寄与しています。

企業法ゼミ(長谷川乃理)

この企業法(商法・会社法)ゼミは、何だかカフェテリア形式で食事するのと似ています。カフェテリアでは、決まった定食があるわけではなく、自分がどのような目的で食事するのか(がっつり?ダイエット?)によってメニューを選択します。そのためには、そのメニューのカロリーや栄養素、以前食べた人の評判等をできるだけたくさん知っているととても役に立ちます。

ゼミで扱うテーマも、自分がどの立場に立つか(会社の顧問弁護士?法務部の社員?株主?会社の大きさは?)によって、見方はがらりと変わります。ほぼ毎回、いくつかのグループに分かれて同じ演習課題(判例をもとにした事例問題、実際に会社で使用されている書類を使った問題など)に取り組んでみると、それぞれのグループのとった立場によって結論が異なります。お互いになぜそう考えたか、を議論するのが、難しくも楽しいのではないかと思っています。

労働法ゼミ(柳澤武)

労働法ゼミの年間行事は次の通りです。まず、前期はロールプレイング演習と合宿(ほぼ毎年、他大学と合同で行います)へ向けた準備を行います。ロールプレイング演習とは、具体的な紛争の場面を設定の上、それぞれが労働者や使用者といった立場を演じ、議論を戦わせる形式の演習です。最初は消極的な学生も、徐々に自分から手を挙げられるようになり、合宿本番では積極的に質問できるぐらいにまでに成長します。

後期は各自がゼミ論文を作成し、最後に論文集として簡易製本します。論文と呼ぶ以上、やや厳しいチェックが行われますが、まとまった文章を書く良い経験になりますし、冊子にすることで一生の記念品となります。勉強以外にも、ゼミコンパ、スポーツ大会への参加、合宿後のレクレーションなど、色々なイベントが行われますので、一緒に楽しみましょう♪

政治過程論ゼミ(松本俊太)

「政治過程論」という学問の目的は、一言で言うと「現代の政治の実態を分析すること」です。この演習では、政治という分野自体を学ぶよりも、どうすればその実態をより正しく理解し、論じることができるのかを考えます。

より具体的には、世の中で起こっている事柄について問いを立てて、その答えを導くための研究を設計すること(リサーチ・デザイン)を学び、それを習得することを目指します。まず、「学ぶ」こと・「研究すること」・「議論すること」とはどういうことなのか、という根本的なところから考えます。これをうけて、事例研究・参与観察・聞き取り調査・内容分析・世論調査・実験といった各種の手法について、それぞれの長所と短所を中心に学びます。こうして得られた知識に基づいて、まずは、世の中に出回っている情報の真偽を見抜く力を養うこと、つづいて、受講生自らが、いずれかの手法を用いた研究を行うことがゴールです。これまでの受講生が行った研究の例としては、「無党派層の投票行動」・「高校における政治教育」・「公務員制度改革」といった、狭い意味の政治を論じるものもあれば、「青少年保護育成条例と少年犯罪」・「地域振興とスポーツ教育」など、より広く社会全般に関わるものもあります。

研究をする素養を身につけることは、社会に出てからも役にたつことが期待されます。企業において、消費者は何を買いたがっているのかを知るのは、商品を開発して販売する前提でしょうし、公務員であれば、どうすれば世の中が良くなるのか(例:なぜ渋滞がなくならないのか、どうすれば地域が活性化するか)を考えるのは重要な課題です。

課外活動としては、年2~3回の飲み会・年1回の合宿・ゼミ対抗スポーツ大会への参加と、ひととおりのものは揃えています。さらに受講生の皆さんの希望があれば、ボウリングに行ったり、野球をしたりもしています。

行政学ゼミ(髙松淳也)

行政学ゼミでは主に地方自治体(市役所・県庁)がおこなう政策を研究しています。

3年前期では、ゼミでは地方自治に関するテキストを分担して読み、さらに担当教員の講義である「行政学」を並行履修することで、行政や地方自治に関する基礎知識を修得します。これらを踏まえ、3年後期にはゼミ生が関心を持ったテーマに取り組みます。各ゼミ生が自分で調査をおこない、その進捗状況や自分の主張をプレゼンし、ゼミ生の間で議論をします。このプロセスを経験することで、自分の考えたことをどのように相手に説得的に伝えるかという、社会人になってからも必要な能力も身に付けます。ちなみに、これまでのゼミ生が選んだテーマは財政、交通、観光、都市計画、環境問題、福祉など多岐にわたります。

行政の活動は法律をもとにしていますが、法律のみで動くわけではありません。行政にかかわる各アクター(住民、政治家、公務員など)の意志や利害関係、社会経済状況、過去の経緯などが絡み合って政策が形成され、実施されます。行政学ゼミではそのような多面的な角度から行政活動を学んでいきたいと思います。

政治思想史ゼミ(仁井田崇)

実生活にはほとんど役立たない、けれども、普段から皆さんが疑問に思っていることがらを扱うのが「政治思想史」です。ですから、「自由ってなに?」「平等ってどういうこと?」「民主主義って本当にいいものなの?」といったことを深く考えていくのがこのゼミの目的になります。

これらの疑問に対して明確な結論を見いだすのは不可能に近く、たいていの場合、「よくわからないねぇ…」ということになってしまうのですが、その分、「ものごとを深く考えるためのテクニック」をゼミでは磨いてもらうことになります。前半は指定したテキストについてのグループ報告、後半はゼミ論文の作成に向けた準備をしてもらいますが、それ以外にも、書評レポートの提出や、論理展開力や文章表現力の向上を目的とした論作文課題の提出を課しています。つまり、「たくさん読み、たくさん書く」のがこのゼミです。

もちろん、ゼミコンパやゼミ対抗スポーツ大会への参加、ゼミ合宿など、ゼミ生の希望があれば課外活動にもどんどん取り組んでいきます。厳しく、楽しくやっていきましょう。

国際政治学ゼミ(矢嶋光)

国際政治学ゼミでは近現代における日本と東アジアの関係を中心に勉強していきます。東アジアとは地理的にいえば中国大陸から朝鮮半島、そして日本列島を指しますが、そこに登場するアクターは日・中・韓に限らず、アメリカやイギリス、ロシアなどといった欧米諸国も含まれます。こうした多様なアクターと日本はどのような関係を取り結んできたのかを歴史的に振り返り、将来における日本と東アジアの関わり方について自分なりの考え方を持てるようになることがこのゼミの目的になります。

この目的を達成するために、まず授業の前半では日本外交史や東アジア国際政治史に関する通史的なテキストを輪読し、基本的な知識を養います。つづいて後半では受講生自身が興味、関心を持った事柄や人物に関する研究書を1冊選んで、その書評報告をおこないます。そして最終的にはゼミで学んだ成果を演習レポートとして文章にまとめることを目標とします。これらのことを通じて、受講生の皆さんには文章読解力を高めるとともに、説得力のある議論のやり方や論理的な文章の書き方といった能力も身につけてもらいたいと思っています。

このほかに、課外活動としてはゼミコンの開催やゼミ対抗スポーツ大会への参加を予定しています。さらに受講生の皆さんの希望に合わせて、ゼミ合宿などさまざまな活動にも取り組んでいきたいと思っています。

国際法ゼミ(佐藤一義)

国際社会とは、国家により構成される社会である。その基本構造ゆえに、国際社会で起きる事件や事象について、我々の常識では理解しがたいことが多い。そこで、国際社会における「法の支配」という視点から、国際法を考察するのが本ゼミナールの目的である。例えば、国家間の約束である条約とは何か。あるいは、国際社会における基本的人権の保障、国際紛争の平和的解決等について検証してみたい。そして、履修生各自の興味に従って学習した成果を、演習レポートとしてまとめることを最終目標とする。そのための資料収集等を通じて得られる、新しい知識の発見というプロセスを「楽しんで」ほしい。

西洋法制史ゼミ(野上博義)

「ノアの箱舟」ってどんな船? 「バベルの塔」って高いの? 「トロイの木馬」に乗ってみたい! 「アレクサンダー」かっこいい! 「カエサル」ってどんなおじさん? 「ポンペイ」には何が埋まっているのですか? 「ゲルマン人」何か怖そう! ヨーロッパでは普通に語られるこれらのことがらについて、書物ではなく、映像を使って認識を広げることをテーマにしている。初めて聞くことばかりだろうから、知ることが第一であり、議論は求めない。必要なものは好奇心だけである。

後期には、演習レポートを作る。この作業の目的は、どんなものであれ、ともあれ一冊の書物を完読したという経験をすることであり、その経験が、何かの機会に、各人のささやかなPR材料にでもなればと思う。

東洋法史論ゼミ(松田恵美子)

講義は先生の話すことを聞くという形をとるので、聞く力を養う。演習では報告担当者はテキスト内容を理解し、参加者に対して説明せねばならず、また質問がでればそれに対して答えねばならないため、講義とはまた異なる力を養うことになる。

講義であれ、演習であれ、何か心に引っかかることがあるなら、それについて自分で調べ、また考えることによって思考を深めることが重要である。

本演習では、中華民国、台湾、中華人民共和国に関する文献をテキストとする。それを読み、これはどういう意味か?このようなことは言えるのか?これまで思っていたことと違っている等、何か心に引っかかったときに、そこに立ち止まる気持ちを重視したい。