キャロル・ピーターセン教授6月3日、交流協定校であるハワイ大学ロースクールから講師を招き、「アメリカ法セミナー」と銘打って講演会を実施しました。ハワイ大学ロースクールとの国際交流協定は昨年20年目の区切りを迎え、今年度も従来と同様に、毎年異なる講師を派遣してもらい、アメリカ法や外国の法制度に関するトピックスを取り上げて講演を行っていただきました。

今年度招へいしたのは、キャロル・ピーターセン(Carole Petersen)教授。ハワイ大学ロースクールでは、国際人権法などの科目を担当され、同分野での著書や論文などを多く執筆されています。また、以前には香港大学で教鞭をとられた経験があり、香港の法制度や事情に造詣が深い先生です。
 
(右)講演の様子今回のセミナーでは、「香港における一国二制度の功罪」および「香港における民主主義及び表現の自由への制限に対する諸問題」というテーマで講義をしていただきました。香港をめぐる歴史的経緯を辿りつつ、英国の領土から中国へ返還されるなかで、法制度そのものや人々の法に対する意識がどのように醸成されてきたのかという興味深いものでした。

また、このような内容の前提として、植民地の自立と脱植民地化という概念や国連の役割が紹介され、国際法の基本概念を理解することができました。
同日は土曜日の午後にもかかわらず30人程度の参加者があり、質疑応答を交わすなど充実したセミナーとなりました。

なお、その前日には法学部の「外国法Ⅰ」(伊川教授)内で、「障害者の人権の展開と国連障害者の権利条約をめぐる議論」というテーマで特別講義を行っていただき、この問題に対する日米両国の状況を理解する良い機会となりました。