特別講義の模様11月30日(水)の3時限目と4時限目に「政治学入門」(仁井田崇准教授・松本俊太准教授担当)の講義内で、愛知県選挙管理委員会事務局の天野孝教・主査、赤羽茂樹・主任、竹山桂子・主任をお招きし、特別講義「日本における選挙制度と選挙を巡る最近の状況」を行いました。これは、県の選挙管理委員会が行っている、有権者の選挙に対する意識の向上と投票参加を促す啓発事業の一環であり、政治学の基礎を学ぶ「政治学入門」の内容に深く関わる重要なテーマでもあります。

(右)竹山主任講義の内容は、まず、投票率や投票行動に関する現状の説明として、戦後の投票率は低下している傾向があること・若年層の投票率が昔も今も低いこと・有権者に占める高齢者の割合が増加しており、そのために、多数派の高齢者層に配慮した政策が優先的に行われているという説があることなどが紹介されました。つづいて、現在の日本の選挙制度について、憲法や公職選挙法に基づいて説明されました。また、最近の状況として、2つの大きな変化について説明がありました。1つは、今年6月から選挙権年齢が18歳にまで引き下げられたことです。この直後に行われた参議院議員選挙では、新たに選挙権を得た18歳・19歳の投票率は非常に高かったというデータも示されました。もう1つは、有権者の投票参加を容易にするような数々の法改正が行われていることです。このような選挙をめぐる環境向上のための様々な試みは、現在でも続いているとのことです。

赤羽主任受講生は大変興味深く講義に聞き入っているようでした。受講生の大半は選挙権を得たばかりの1年生であり、これから生涯にわたって選挙や政治との関わりを考えてゆく上で、良い機会だったように思います。