授業 Pick Up


2020年度以降のカリキュラムの中から特徴ある授業科目をピックアップしてご紹介します。

憲法Ⅱ(人権保障)

人権に関する研究であり、特徴としては、日本国憲法と人権諸条約との関係について、とりわけ外国人の人権保障を素材として考える点にあります。憲法規定と人権に関する諸条約の規定との異同を、具体的な事例を通して学び、両者の整合的なあり方を検討します。そのためには、欧米諸国との比較も必要であり、人権保障の発展のための解釈のあり方、さらには法制度や政策のあり方についても考察することになります。テキストを読み込み、新たな事例を比較検討しながら議論することにより、柔軟な思考力の醸成を目的としています。

行政法Ⅱ(行政作用法)

行政法Iの理解をもとに、災害対策・消費者行政・河川管理など、複数の個別行政領域を対象として、その法制度と行政活動の特質・現代的展開を検討します。担当者による発表(対象文献の要約と、発展的調査について)と、参加者間での議論を行います。各個別領域で行政が直面している問題状況を認識するとともに、各領域や公法諸科目(租税法・憲法など)に共通する行政法の基本原理・思考様式と、各分野ごとの固有性という両面への理解を深め、修了後において公務員・税理士などのエキスパートとして求められる考え方の基礎を身に付けます。

租税法Ⅰ(総論)

この科目は、租税法Ⅲ(所得税)、同Ⅳ(法人税)、同Ⅴ(相続税)、同Ⅵ(消費税)といった個別税法を学ぶ上での基礎理論の修得を目的としています。租税法律主義、税法の解釈、租税回避などの基礎理論について、裁判例を精読することで、法解釈論としての税法学の礎を築きます。

租税法Ⅱ(租税争訟法・手続法)

申告や更正の請求などといった手続法、不服申立て・訴訟にまつわる争訟法について、基礎理論の修得と要件事実論を中心とした実務的能力の修得を目指します。それにより、個別実体税法の理解の深化につながります。

刑事法Ⅰ(刑法理論)

刑法は最終的には刑罰という最も峻厳な制裁を科すことが予定されているため、刑法解釈では事案の適切な解決とともに人権保障が図られなければなりません。戦後刑法学では二律背反ともいえる両者の対立をいかに収束すべきかとの思考からさまざまな解釈アプローチが試みられてきました。現在では日々社会に生起する問題に対処する過程で刑法理論はさらに深化をとげ、そのため学説は十人十色・百花繚乱の様相を呈しています。このような状況の中で、感情論ではなく、首尾一貫した刑法的視点から論理的に問題解決を探っていくことが求められます。


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