広渡清吾氏12月6日(金)に、法学会講演会として、東京大学名誉教授の広渡清吾氏による講演「民法と市民社会―歴史と現代的意義」を行いました。3限目の法社会学(平井教授担当)の時間帯を使い、法社会学の受講学生に参加希望学生と教員が加わり、講演を聴講しました。

近年の社会の変化のなかで、法の制定、法の改正がしばしば行われています。中国では、まさに民法典が編纂されようとしており、日本でも明治以来続いてきた民法の財産法部分の大改正が行なわれました。午前中には「中国法セミナー」として、中国民法の編纂について講演があり、午後には本講演が行なわれました。

(右)講演の様子午前中の講演では、中国大陸における、今まさに民法典を作ろうとするなかでの、現実生活の問題にもとづいた生き生きとした議論が紹介されましたが、午後の本講演は、民法のもつ意味は何かを考えさせられるものとなりました。人間の自由と平等を守るという役割を担う法である一方、為政者の考え方によって異なる性格のものに変えられる可能性もあることが、思想面、歴史面、そして日本やドイツの経験についての幅広い知識にもとづいて語られました。法学部で法律を学ぶのは試験のためではないということを、学生たちは改めて感じたのではないしょうか。