6月14日(金)、井上達夫 東京大学名誉教授をお招きして、法学会講演会を開催しました。講演題目は、「差異と平等 ― 違いを認めあって共生するなんて、本当にできるのか?」。
社会の中では主流派のあり方が当然とされ、そこに属さない者が抑圧されることは容易に起こりえます。また、男女のように一方が多数派でなくても抑圧が生み出されることもあります。人間は、何かの違いを根拠に差別を生み出すものとも言えます。そして、様々な主張が吹き出す現代社会において、「平等」の実現がますます難しくなっていることは実感するところです。講演では、この難題に切り込んでいただけました。
当日は多くの学生が参加し、名城ホールを使っての講演となりました。教職員の出席も多く、学生を引き連れての参加や、校務の合間を縫って学部長の参加もありました。このような先生方の関心の高さや、自分たちにとって切実な問題であることが学生にも伝わったのか、難題を扱った講演であったにもかかわらず、講演後は何人もの学生が質問をしていました。名城大学法学部の学生もなかなか頼もしいと、嬉しい気分にさせられた講演会でした。
6月14日(金)の3限目の時間帯に、東京大学名誉教授の井上達夫氏をお招きして、法学会講演会を開催します。テーマは「差異と平等 ― 違いを認めあって共生するなんて、本当にできるのか?」。
入場無料、予約も不要です。聴講を希望される方は、会場に直接お越し下さい。多数のご参加をお待ちしています。
テーマ |
差異と平等 ― 違いを認めあって共生するなんて、本当にできるのか? |
講 師 |
井上 達夫 (東京大学名誉教授) |
日 時 |
6月14日(金) 13:10~14:40 |
会 場 |
名城大学天白キャンパス 共通講義棟南 S-102 |
お問合せ:法学部事務室(共通講義棟北2階)
TEL: (052) 838-2050
12月2日(土)、法学部の川原勝美准教授を講師として、2023年度の公開講座をオンラインで開催します。テーマは「独占禁止法入門」。
我が国においては、自由で公正な経済を実現させるために、独占禁止法が定められています。この講座では、独占禁止法を初めて学ぶ方を対象に、独占禁止法の考え方やしくみを解説するとともに、最近の話題についても検討します。
参加には事前の予約が必要です(定員80名)。
こちらからお申し込みください。
演 題 |
独占禁止法入門 |
講 師 |
川原勝美 法学部准教授 |
日 時 |
12月2日(土) 14:00~15:00 |
場 所 |
オンライン(zoomウェビナー) |
11月1日(水)の3時限目と4時限目に、「政治学入門」(仁井田崇准教授・松本俊太教授担当)の講義内で、愛知県選挙管理委員会事務局の説田将光主任・本田優太主事をお招きし、特別講義「日本における選挙制度と選挙を巡る最近の状況」を行いました。この特別講義は、2016年度に現行の「政治学入門」の講義を開始してから、2020年度を除き、毎年行っているものです。また、今年度は、4年ぶりに教室で紙資料の配布やアンケートの実施ができるようになりました。
今回も、「投票率と投票行動」「日本の選挙制度」「選挙を巡る最近の状況」「愛知県選挙管理委員会の啓発の取組」の4つを御講義いただきました。主権者教育の重要性は、近年、至る所で言われており、国の政府(総務省・文部科学省など)も本腰を入れて取り組みをはじめています。地方自治体の選挙管理委員会によるこの特別講義も、この一環ではありますが、同時に、法学部における専門科目の枠内で行うものですから、この特別講義の内容は、専門性が高く、多岐にわたるものでした。とくに、日本の選挙に関する法律は非常に詳細かつ複雑ですが、非常に充実した資料を基に、手際よく解説いただきました。
この特別講義に出席した受講生の多くは、真剣な表情で講義に耳を傾けていました。既に選挙に行ったことのある受講生もそうでない受講生もいると思います。大半の受講生にとって、次の選挙は衆議院の解散に伴う総選挙になる可能性が最も高そうですが、今回の講義を契機に、投票への参加のみならず、受講生の政治に対する意識や政治全般への関わり方も、変わってくるかもしれません。
10月26日(水)の3時限目と4時限目に、「政治学入門」(仁井田崇准教授・松本俊太教授担当)の講義内で、愛知県選挙管理委員会事務局の久世真輝主査・石川優斗主事をお招きし、特別講義「日本における選挙制度と選挙を巡る最近の状況」を行いました。この特別講義は、毎年、「政治学入門」内で行われているものです。2016年度から数えて、これで6回目になります(2020年度は新型コロナウイルス感染症のため中止)。
今回も、「投票率と投票行動」「日本の選挙制度」「選挙を巡る最近の状況」「愛知県選挙管理委員会の啓発の取組」の4つについて御講義頂きました。とくに、御講義の冒頭で紹介された、世代間の投票者数の格差や、その結果、高齢層の利益が政策に反映されやすいとする「シルバー民主主義」という議論は、若年層である受講生につよい印象をあたえたようです。また、選挙制度やその最近の動向については、細かく多岐にわたる内容を、非常に丁寧に解説頂きました。
このところ、昨年10月に衆議院選挙・今年7月に参議院選挙・来年2月に愛知県知事選挙・4月に統一地方選挙と、選挙が続いています。日本は投票を義務化しておらず、投票に行くのも行かないのも、有権者の判断になっています。この講義を機に、有権者である受講生の選挙への向き合い方も変わってくるのかもしれません。
11月19日(土)、法学部の代田清嗣准教授を講師として、2022年度の公開講座を開催します。テーマは「医療・衛生と法の歴史」。
医療や衛生に関する法制は、明治期以降体系的に整備されるようになりましたが、それ以前にも、人々の健康保護に関する法は存在していました。江戸時代から明治初期の医事・薬事や衛生に関する法制を紹介し、日本における衛生行政の発達史をたどります。
参加には事前の予約が必要です(定員100名)。
こちらからお申込みください。
テーマ |
「医療・衛生と法の歴史」 |
講 師 |
代田 清嗣(法学部准教授) |
日 時 |
11月19日(土)14:00~15:30 |
場 所 |
天白キャンパス 共通講義棟南 S-201 |
※ 今後の新型コロナウイルス感染症の拡大状況によっては、開催を中止する場合がございます。何卒ご理解賜りますようお願いいたします。
「特設科目A(実践法教育)」(柳沢雄二教授、二本栁誠教授、萩野貴史准教授 担当)は、刑事裁判(主として裁判員裁判)の仕組みを学び、学生自身がシナリオ作成等に関わって、最終的に高校生をまじえて模擬裁判を実践する授業です。法学部の授業のほとんどは通常の教室で行われますが、この授業では模擬法廷教室を用い、学生が主体的に参加するアクティブラーニングを重視した教育を行っています。この授業の一環として、6月6日(月)の5時限目、関谷慶一郎弁護士(愛知県弁護士会)をお招きして「弁護士から見た刑事裁判の実情」という講演会を開催しました。
講演会では、刑事裁判に関わる裁判官、検察官、弁護士それぞれの目線や意見があるという前提を示されたうえで、弁護士の目線で刑事裁判の実情や問題点を詳しく解説してくださりました。
弁護士といえば、法廷に立ち、検察官と対峙する姿だけを思い描きがちです。しかし、この講演会では、弁護士の日常的な業務の全体像や、弁護士が刑事手続(警察の捜査段階から裁判所の判決が言い渡されるまで)の「どの段階」で「どのように」関わっていくかという点について、関谷弁護士の実体験を踏まえつつお話が展開されていきました。たとえば、被疑者が「先生、助けてください。今警察に囲まれている!」と電話してきた時にどのように対応したかといったエピソードなどは、まさに「リアルな現場」を感じるものでした。
また、関谷弁護士が普段から意識しておられる「弁護士としての心構え・注意点」に関するお話なども、法律の専門家の道を志す学生にとっては大きな参考やモチベーションの向上になったのではないかと思います。
さらに、法曹界を描いたドラマやマンガ、映画にも触れ、関谷弁護士のお薦めの作品も紹介されるなど、硬軟自在な講演の中で参加者から笑いが漏れる場面もありました。
質疑応答では、普段の授業ではなかなか知ることのできない「弁護士の世界の実情」に迫ろうとする学生の姿を見ることができました。参加した学生全員にとって、貴重な体験となったことは疑いがありませんが、今後の模擬裁判や進路選択にとっても大きな参考になったものと思われます。
5月27日(金)の2時限目に、「基礎演習Ⅰ」(代田清嗣准教授担当)の中で、名古屋市立大学教授の阪井芳貴先生をお招きし、「沖縄本土復帰50周年記念講演」を行いました。当日は基礎演習を受講する1年生のほか、代田准教授の「特設科目B(法文化3)」を受講する学生が参加しました。
講演は、本土復帰に向けた当時の沖縄の人々の思いや動きを中心に、近世以降、沖縄が軍事力によって生活を変化させられてきたことや、その中での法と政治のあり方や変化について、詳細な解説がなされました。また、沖縄の食文化や葬制などの伝統が、本土法の適用を受けることで影響を受けつつ現在まで存続してきたことが、阪井先生の見聞も交えながら紹介されました。
阪井先生は、「沖縄には、27年間の本土とは異なる戦後があることを忘れないでほしい」と、歴史や文化を踏まえて沖縄に向き合うことの重要性を強調しておられました。
講演の中では、本土復帰に関する貴重資料の写真が提示されたほか、新聞記事や雑誌、国立公文書館での企画展の図録などが阪井先生から回覧され、学生たちは熱心にそれらを見ていました。また、質疑応答の時間には、明治期の旧慣温存政策を沖縄の人々がどのように受け止めていたかについて質問がなされるなど、学生の関心の高さがうかがわれる講演となりました。
12月8日(水)の3時限目と4時限目に、「政治学入門」(仁井田崇准教授・松本俊太教授担当)の講義内で、愛知県選挙管理委員会事務局の水口雅文主査・長野晴生主事をお招きし、特別講義「日本における選挙制度と選挙を巡る最近の状況」を行いました。現在の形の「政治学入門」の講義が始まった2016年度以降、この特別講義は毎年行われていましたが、昨年度は、新型コロナウイルス感染症のため、中止となりました。今年度は、幸いなことに感染状況が落ち着いていましたので、2年ぶりに実施することができました。
今回も、「投票率と投票行動」「日本における選挙制度」「選挙を巡る最近の状況」「愛知県選挙管理委員会の啓発の取組」の4つについて、日本の選挙全般にまつわる状況から非常に詳細な内容まで、御講義頂きました。また、今回の特別講義の直前の10月には衆議院選挙が行われました。大半の受講生にとっては、これが選挙権を得てからはじめての国政選挙でした。この衆議院選挙についても、投票率などの状況などが、紹介されました。さらには、2019年以降の参議院の選挙制度の変更や、次の衆議院選挙以降の選挙区割りの変更など、最新の状況まで講義されました。
来年は、夏に参議院選挙が行われます。この講義が、それぞれの受講生にとって、有権者として今後どのように世の中と関わってゆくか、改めて考える機会になればと思います。
11月21日(木)と12月12日(木)の2回、マリアン・ジョーゲンセン氏による法文化セミナーが開かれました。
例年の通り、学生たちは2~3人の組になって、ジョーゲンセン氏の次々と繰り出す質問に答えなければならず、組ごとに相談して答えていました。文化とは何かを考え、また世界の国々がどのような文化をもつのかを考える形になっており、興味深い内容でした。
ただ、今年の学生は例年よりおとなしく、なかなか口を開かなかったり、声が随分小さかったりと、やや物足りなく感じられる点もありました。質問はすべて英語でなされますが、答える時は英語でも、日本語でもよいとなっています。とにかく頭に浮かんだことを答えれば十分なのですが、緊張もあってか、なかなか積極的に意見を述べるのが苦手な学生さんもいるようでした。このセミナーをきっかけに、大勢の前でも自分の考えを堂々と述べる度胸をつけていってほしいと思います。