
11月5日の3時限目と4時限目に、「政治学入門」(仁井田崇准教授・松本俊太教授担当)の講義内で、愛知県選挙管理委員会事務局の小田健太主事・大野翔太郎主事をお招きし、特別講義「日本における選挙制度と選挙を巡る最近の状況」を行っていただきました。
講義の内容は、構成は例年どおり、「投票率と投票行動」「日本の選挙制度」「選挙を巡る最近の状況」「愛知県選挙管理委員会の啓発の取組」の4つでした。近年の小中高校では、主権者教育が充実していたり、授業時間中に課題に取り組むことが多くなったりしています。こうした学びを経た世代が大学に進学する時代になっていることから、今年は、法学部の専門科目ならではの高度な話や、講義の途中で簡単なディスカッションが組み込まれました。

また、「選挙を巡る最近の状況」のセクションでは、公職選挙法の一部改正による、選挙運動用ポスターの品位保持規定の新設、および関連して、選挙におけるSNSの活用や、いわゆる「2馬力選挙」の問題といった、最近の日本の選挙運動で発生した諸問題に対する取り組みが紹介されました。選挙管理委員会の仕事は、これまでこの特別講義で強調されてきた投票率の向上の他、公正で明るい選挙の実施が含まれます。これらを同時に実現するには、社会の側から有権者や候補者の行動を論じる政治学と、世の中で発生する問題を解決するための法学、この両方を修めることが必要になります。この特別講義が、狭い意味での選挙のみならず、今後の法学部における学業全般に対して、受講生に何らかの示唆を与えることが期待されます。

11月29日(土)、法学部の笹岡克比人准教授を講師として、2025年度の公開講座を開催します。テーマは「子どもの食をめぐる法」。
子どもの食に関しては、法律や業界自主規制など、さまざまなルールがあります。この講座では、学校給食や食育、子ども向け食品広告の規制を中心に、子どもの食をめぐる法の体系や話題について説明します。
参加を希望される方は、
こちらからお申し込みください。
| 演 題 |
子どもの食をめぐる法 |
| 講 師 |
笹岡 克比人 法学部准教授 |
| 日 時 |
11月29日(土) 14:00~15:00 |
| 場 所 |
天白キャンパス 共通講義棟北1階 N-102 |
| 定 員 |
80人 |
| 対 象 |
一般市民、大学生、高校生 |
【お問合せ先】
法学部事務室
052-838-2050(平日 9:00~17:00)
hhjimu@ccml.meijo-u.ac.jp

6月17日(火)16時30分から約90分間にわたり、中部管区警察局・郷治知道局長をお招きし、「喫緊の社会安全の課題と対応~社会の安全について学ぶ意義」と題する講演会を開催しました。
郷治氏は、1991年に警察庁にI種試験(現:総合職試験)で採用された総合職の国家公務員です。本庁や各府県警察などの様々な部署での勤務を経験され、昨年9月に、愛知県警察本部と同じ建物に所在する現在の機関に異動されました。
講演の内容は、(1)郷治氏の経歴と警察の組織の紹介、(2)同氏が主に関わられた業務として、高齢運転者の安全運転対策と、サイバー犯罪捜査の2点、(3)喫緊の課題として、サイバー警察局・サイバー特別捜査隊(現特別捜査部)の設置と、匿名・流動型犯罪グループへの対策の2点、(4)中部管区警察局と管区内の6県の警察の紹介、と、多岐にわたるものでした。講演会の後半に行われた質疑応答では、複数の学生から、同じく多岐にわたる質問が出されました。
参加した学生は、学年は1年生から4年生まで、幅広い層にわたりました。参加の動機も、警察官を志望していたり、昨今の犯罪や犯罪対策に関心をもっていたりと、こちらも多様でした。参加者の感想としては、警察の業務の幅が広いこと、様々なタイプの人材が求められていること、国内外の公共部門や民間企業などとの連携が広く行われていることが、とくに印象に残ったようです。

5月14日(水)、近藤教授担当の「国際人権法」の時間帯に、「13年間のシリア紛争が残した課題」と題して、須崎彰子氏による講演が行なわれました。
須崎氏は東京外国語大学在学時チュニジアに国費留学し、卒業後民間企業でイラク勤務を経験、その後国連職員となり、イラク、ミャンマー、ソロモン諸島、シリアで勤務しました。ウィーンやニューヨーク勤務時も担当は中東や東南アジアでした。最後の勤務地シリアでは(2016-2019)、国連開発計画シリア事務所副所長として紛争下の緊急人道支援に従事されていたと聞き、今回講演をお願いすることにしました。
アサド政権下のシリアでは、2011年3月に政権への抗議運動が生じたことにより紛争が始まり、2024年12月に突如として紛争が終結しました。
紛争下シリアでの支援や社会融和のための活動、女性世帯主の増加や戦闘員との間に生まれた子供の問題等、パワーポイントで次々と示される画面から、問題の複雑性を知ることになりました。静かに聞いていた三十数名の学生たちが、何かを考えるきっかけとなれば良いと思います。

6月17日(火)の5限目(16:30~18:00)に、警察庁中部管区警察局・局長の郷治知道氏をお招きし、「喫緊の社会安全の課題と対応~社会の安全について学ぶ意義」と題した、法学会講演会を開催します。
犯罪や事故は社会の現状を鋭敏に反映し、個人、行政、企業など社会・経済のどの領域も、円滑な活動を阻害する犯罪等のリスクと無縁でいられません。警察庁と各府県警察で勤務経験を積まれた郷治氏から、社会の安全に関わる喫緊の課題と対応、これらに関して私たちが学ぶ意義について話していただきます。
| テーマ |
「喫緊の社会安全の課題と対応~社会の安全について学ぶ意義」 |
| 講 師 |
郷治知道 氏 (警察庁中部管区警察局・局長) |
| 日 時 |
6月17日(火) 16:30~18:00 |
| 会 場 |
共通講義棟北 N-201講義室 |
申込みや予約は不要です。聴講を希望される方は、会場に直接お越し下さい。多数のご参加をお待ちしています。

6月6日(金)・7日(土)、ハワイ大学ロースクールからトロイ・アンドレイド(Troy Andrade)教授をお招きし、国際専門研修プログラムの一環としてアメリカ法セミナーを開催します。
6月6日の講演テーマは「American Tort Law System」。具体的な判例を手がかりに、アメリカ不法行為法の制度的特徴と基本原則を解説いただきます。日本法にも通じる難解な問題に対して、アメリカ法がどのようにアプローチしているかを学ぶことのできる講演です。
翌7日の講演テーマは「American Law, History, and Memory」。アメリカ連邦最高裁判決《Rice v. Cayetano》事件を素材に、アメリカ法が歴史的な不正義とどう向き合い、その過去をどのように語り直そうとしているのかに迫る講演です。
講演自体は英語で行われますが、通訳がつきますので、テーマに関心のある方は是非ご参加下さい。
| 日 時 |
6月6日(金)10:50 ~ 12:20 (外国法Ⅰの講義内で実施) |
| 場 所 |
共通講義棟南 S-203 |
テーマ |
American Tort Law System |
| 日 時 |
6月7日(土)13:10 ~ 16:20 |
| 場 所 |
共通講義棟南 S-203 |
テーマ |
American Law, History, and Memory |
事前の申込みや予約は不要です。上記の時間に直接会場にお越し下さい。多数のご来場をお待ちしています。

5月14日(水)の3限目に、元国連職員の須崎彰子氏をお招きし、「13年間のシリア紛争が残した課題」をテーマとして法学会講演会を開催します。
シリア情勢は、国際社会の対応や人道支援のあり方を問い直す出来事でもありました。現地での勤務経験を持つ須崎氏から、紛争の実態や国際機関の役割、そして今なお残されている課題についてお話しいただきます。
| テーマ |
13年間のシリア紛争が残した課題 |
| 講 師 |
須崎彰子 氏 (元国連職員) |
| 日 時 |
5月14日(水) 13:10~14:40 |
| 会 場 |
共通講義棟北 N-304講義室 |
申込みや予約は不要です。聴講を希望される方は、会場に直接お越し下さい。多数のご参加をお待ちしています。

12月25日(水)の3時限目と4時限目に、「政治学入門」(仁井田崇准教授・松本俊太教授担当)の講義内で、愛知県選挙管理委員会事務局の本田優太主事・小田健太主事をお招きし、特別講義「日本における選挙制度と選挙を巡る最近の状況」を行って頂きました。この特別講義は、例年は10月下旬前後に行っているものですが、今年は、この時期に衆議院の解散・総選挙が予想されていたことから(実際にそのとおりになりました)、例年より時期を遅らせました。年末の忙しい時期に行うことになりましたが、それでも例年どおり、受講生は熱心に耳を傾けていました。
講義の内容は、今回も、「投票率と投票行動」「日本の選挙制度」「選挙を巡る最近の状況」「愛知県選挙管理委員会の啓発の取組」の4つでした。受講生は、小中高校でも主権者教育を受けてきましたが、今回は法学部の専門科目ですので、制度の細かいところや法的な話といった高度な内容にまで踏み込んだ話になりました。

このところ、日本でも選挙を巡る状況が大きく変化しています。2013年に解禁された、インターネットを使用した選挙運動(通称「ネット選挙」)が、10年の期間を経て、選挙戦や選挙運動全体に大きな影響をもつようになってきました。このことの功罪はいろいろ言われていますが、SNSを中心としたインターネットが選挙や政治全般に関わることはもはや前提ですから、選挙管理の立場も、この変化に対応せねばなりません。その一環として、愛知県選挙管理委員会でもFacebookやX(旧Twitter)を開設していることが紹介されました。また、小中高校での出前トークや、今回の特別講義のような大学と連携した活動など、インターネットの時代であっても対面での活動が重点的に行われていることも紹介されました。
日本では投票は有権者の義務ではありません。そのため、今回の特別講義も、投票参加を呼びかけるという範囲のものです。が、この特別講義が、若年層を中心とした投票率の向上に資することができれば何よりかと思います。

6月14日(金)、井上達夫 東京大学名誉教授をお招きして、法学会講演会を開催しました。講演題目は、「差異と平等 ― 違いを認めあって共生するなんて、本当にできるのか?」。
社会の中では主流派のあり方が当然とされ、そこに属さない者が抑圧されることは容易に起こりえます。また、男女のように一方が多数派でなくても抑圧が生み出されることもあります。人間は、何かの違いを根拠に差別を生み出すものとも言えます。そして、様々な主張が吹き出す現代社会において、「平等」の実現がますます難しくなっていることは実感するところです。講演では、この難題に切り込んでいただけました。

当日は多くの学生が参加し、名城ホールを使っての講演となりました。教職員の出席も多く、学生を引き連れての参加や、校務の合間を縫って学部長の参加もありました。このような先生方の関心の高さや、自分たちにとって切実な問題であることが学生にも伝わったのか、難題を扱った講演であったにもかかわらず、講演後は何人もの学生が質問をしていました。名城大学法学部の学生もなかなか頼もしいと、嬉しい気分にさせられた講演会でした。

6月14日(金)の3限目の時間帯に、東京大学名誉教授の井上達夫氏をお招きして、法学会講演会を開催します。テーマは「差異と平等 ― 違いを認めあって共生するなんて、本当にできるのか?」。
入場無料、予約も不要です。聴講を希望される方は、会場に直接お越し下さい。多数のご参加をお待ちしています。
| テーマ |
差異と平等 ― 違いを認めあって共生するなんて、本当にできるのか? |
| 講 師 |
井上 達夫 (東京大学名誉教授) |
| 日 時 |
6月14日(金) 13:10~14:40 |
| 会 場 |
名城大学天白キャンパス 共通講義棟南 S-102 |
お問合せ:法学部事務室(共通講義棟北2階)
TEL: (052) 838-2050