David M. Forman教授6月22日(土)、交流協定校であるハワイ大学ロースクールから講師を招き、「アメリカ法セミナー」と銘打って講演会を実施しました。ハワイ大学ロースクールとの国際交流協定はすでに20年以上にわたって行われており、今年度も例年と同様に、同校の教授を派遣してもらい、アメリカ法に関するトピックスを取り上げて講演を行っていただきました。

今年度招へいしたのは、デビッド・フォーマン(David M. Forman)教授。ハワイ大学ロースクールの環境法プログラムの責任者であり、国際自然保護連合(IUCN)の会員であるとともに、ハワイ先住民の権利に関する専門家でもあります。

(右)講義の様子今回のセミナーでは、「環境法と将来世代」というテーマで講義をしていただきました。ハワイ州憲法を含めた各州憲法で規定されている「将来世代の利益」という概念が持続可能性を重視する環境政策の鍵になるという基本的な認識が示された上で、そのような認識が国際法及び各国憲法にも見られることを明らかにする大変に興味深い内容でした。

同日は土曜日の午後にもかかわらず50人程度の参加者があり、多数の学生から質問が出るなど充実したセミナーとなりました。

講義の様子なお、その前日には、法学部の「外国法Ⅰ」(植木教授)内で、「アメリカ合衆国及びハワイ州における環境法の概論」というテーマで特別講義を行っていただきました。本講義では、アメリカ合衆国における連邦レベルでの環境法に関する概説があった後に、ハワイにおける環境保護をめぐる紛争として、高速道路の建設、海岸でのホテル建設、信仰の対象となってきた山(Mauna a Wakea)の山頂での天文台建設などの事例に関する紹介があり、環境問題だけでなく先住民の権利などの問題も含めて考える機会となりました。