模擬裁判を実施しました
平成25年12月13日と16日の2日間にわたって、附属高校特別推薦合格者を対象に、入学前教育の一環として模擬裁判を行いました。
これは、法学部の特設科目である「実践法教育」の受講者が、4月から1年間かけて準備してきた模擬裁判を高校生とともに実施するものです。今年度は、本科目の受講生(学部生42名)と進学予定者(附属高生35名)とが参加しました。
13日は、共通講義棟北3階の模擬法廷を使用して、「実践法教育」受講者が作成したシナリオにもとづき、大学生が裁判官、検察官、弁護人、被告人、証人等の役割を本物の裁判さながらに演じました。高校生はメモを取ったりしながら、この裁判の様子を熱心に見学しました。その後、次回、評議を行うグループに分かれて、事件に関する補足的な質疑応答や評議の進め方等について説明が行われました。
16日には、大学生、高校生が6つのグループに分かれ、大学生が法の専門家である裁判官役、高校生が裁判員役となり、殺人の容疑がかけられている被告人が有罪か無罪かを判断しました。いずれのグループでも大学生のリードに基づいて熱心な議論が展開されました。なかには、今回の模擬裁判のシナリオを暗記するほどに読み込んで準備してきた高校生もいて、かなり突っ込んだやり取りがみられました。また、大学生から説明のあった推定無罪や乗り降り自由の原則(最初に有罪または無罪という意見を表明しても、途中で自分の意見を自由に変えてよいという考え方)などの法原則を十分理解し、大学生の方が応対に困るほど鋭い質問や意見を投げかける高校生の姿も見られました。
模擬裁判、評議を経験した高校生からは、討議の場で自分の意見を的確に述べることの難しさや、今後の法学部での学習への興味が高まったとの感想が寄せられました。また、大学生の側からは、内容を伝えることや意見を引き出すことの難しさを感じるとともに、内容や方法を工夫することで反応が得られたことの喜びを実感することができたなどの感想がみられました。講義担当者としては、こうした取組みを通じて、この科目(実践法教育)の教育目標の一つである「教えることを通じて学ぶ」ということが実践されたのではないかと感じています。
また、今回で3年目となる模擬裁判による入学前教育は、前年度附属高生として参加し、今年度は大学生としてこの取組みに参加する受講生が多数いるなど、附属高校と大学との連携、またこうした取組みの継続性の重要性を実感する機会ともなりました。