7月30日、31日の両日にわたり、オープンキャンパスを開催しました。9時30分の開場から様々な企画を用意した甲斐があり、蒸し暑い天候にもかかわらず、今年も多数のご来場をいただきました。
法学部では、共通講義棟北1階に進学相談コーナーを設け、入試や教育内容を中心に専任教員が質問・相談にお答えしました。3階の模擬法廷では、学生生活や将来の進路など、受験生なら誰でも気になる様々な疑問点を法学部学生・大学院生に直接ぶつける「先輩に聞いてみよう」コーナーを開き、法学部オリジナルグッズの配布も行いました。
また、両日とも午前11時から模擬講義を実施しました。テーマは、30日が植木淳教授による「法律学入門講義~人権とは何か?」、31日は矢嶋光助教による「政治学入門講義~選挙に行くと政治は変わる?」。いずれも250人収容の大教室がほぼ満席になる盛況ぶりで、20分間という短い時間ながら、法学部の学びの一端を体験していただくことができました。午前11時30分からは、天白キャンパスで最大のキャパを誇る名城ホールで学部紹介を行い、こちらも模擬講義以上のご参加をいただきました。
これらの企画を通じて、法学部の魅力を高校生の皆さんに伝えるよい機会となったことと思います。
7月・8月の法学部資料室の開室時間が下記の通りに変更となります。資料室をご利用の皆様にはご不便をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
7月
21日、29日 |
9:00 ~ 17:00 |
2日、9日、23日、30日 |
16:00 ~ 20:00 |
3日、10日、16日、17日、18日、24日、31日 |
閉 室 |
8月
3日~17日、24日、30日、および全ての土・日 |
閉 室 |
6月28日(火)、台湾の輔仁大学から黄浄愉助理教授を招聘し、「台湾親族法における伝統的要素」というテーマで、日本法と比較しつつ、講演していただきました。
台湾親族法は1930年の制定以来、18回の改正が行われていますが、立法の基本的志向は、①男女平等の原則を貫くこと、②未成年の子の最善の利益を保証すること、③公正なる第三者の介入によって私人間の関係を調整すること、です。
また、台湾親族法の規定の特徴としては、倫理観、儒教思想、親族間の助け合い、家族自治などをあげることができ、親孝行や家に関する規定や、親族会議のあり方の規定がありますが、これらの道徳的要素は、日本法にはみられないものです。
法規範は、各国の事情を考慮して制定されることから、各国で異なる体系、規定を有するのは当然のことですが、隣国であるにもかかわらず異なる思想・倫理観にもとづく法体系の存在に接することができたこと、特に、日本法は民法に限らず、できる限り道徳的要素を排除する傾向があるのに対して、台湾法が道徳や宗教の命題を法規範として規定しているのを知ることができたのは、学生にとってはもちろん、聴講した教員にとっても、有意義な講演であったと考えられます。
6月18日(土)、交流協定校であるハワイ大学ロースクールから講師を招き、アメリカ法セミナーを開催しました。ハワイ大学からは毎年異なる講師を派遣していただいていますが、今年お招きしたのは、デービッド・キャリーズ(David Callies)教授。ハワイ大学ロースクールで財産法や土地利用規制法などの講義を担当されており、著名な論文やケースブックを刊行するなど、この分野ではアメリカを代表する研究者の一人です。
今回のセミナーでは、「学生の授業参加の促進―アメリカにおける手法を参考に―」というタイトルで基調講演をしていただきました。その内容は、アメリカのロースクールにおける伝統的な教育手法である「ソクラティック・対話式教授法」の概要や功罪を中心として、学生を授業に参加させるための教育手法を紹介するというものでした。
それに引き続いて、ハワイ大学ロースクールと名城大学法学部との学術交流協定20周年を記念して、「法学教育におけるアクティブ・ラーニングのあり方」というタイトルでシンポジウムが行われました。パネリストとしてキャリーズ教授のほか伊川法学部長が参加し、柳澤武教授が進行役を務めて実施されました。その中で、大教室における参加型授業の実施や定期試験のあり方など、法学教育における学生の授業参加をめぐって有益な議論が行われました。
同日は土曜日の午後にもかかわらず50人程度の参加者があり、質疑応答を交わすなど充実した機会となりました。