授業 Pick Up!

法学部の多くの魅力的な授業のなかから、特色のある科目をピックアップして紹介します。

実践法教育

特設科目Ⅰ(実践法教育)では、毎年、法学部生と附属高校生による模擬裁判を行っています。

1年間の授業を通じて裁判員裁判の仕組みを学修し、シナリオ作成を経て、模擬裁判を実演します。そして、来年度、法学部に入学予定の附属高校生3年生がその模擬裁判の内容をもとにして裁判員役となり、有罪か無罪かの評議を行います。

平成29年の12月に実施した模擬裁判の事件の内容は殺人事件で、高校生たちは学生のリードのもと、提出された証拠や証人の証言をもとにして、被告人が有罪といえるかどうかを検討しました。4~5人の6グループに分かれて評議をした結果、全員一致で無罪という結論に達したグループや、有罪と無罪が同数という結果となったグループもあり、同じ事件を議論しても結論に大きな違いがあらわれました。また、当初は全員無罪という意見であったのが、評議の過程で考えが変わり、最終的には有罪へと結論が変化したというグループもみられました

参加した高校生は、条文を暗記したり、一つの答を導くことが法学の学修ではないと言うことを実感した様子で、来年度からの大学での学びを先取りする経験を積むことができる貴重な機会となりました。

また、大学生の側は、ものごとを正しく伝えることや多様な意見を引き出すことの難しさ・面白さを身をもって知り、「教えながら学ぶ」という、この授業のコンセプトの意義を深く理解していました。

政治学入門 (仁井田崇 先生)

この講義は、政治に対する捉え方や政治のあり方の移り変わりを振り返る前半と、現代政治の仕組みとその実際について分析する後半から成ります。前半は私が、後半は松本俊太教授が担当します。政治はタテマエとホンネが複雑にからみあう世界です。だからこそ多角的な視点から物事を考察することが欠かせません。さらに高度な政治学を学ぶためにも、まずはこの講義によってそうした「政治を見る眼」を身につけてもらえればと思います。

企業法Ⅰ (長谷川乃理 先生)

社会生活において、物品の売買、賃貸借などの取引は欠かせません。「商人間」の場合、商行為、すなわち営利を目的として反復継続して取引がなされ、また商人という原則として対等な立場にある者同士での取引であるという点で一般市民同士の取引とは区別されます。商法総則・商行為を学ぶことは、その後の企業法の学習にとって重要な基礎固めとなります。法律の規定を、社会における具体的な取引にできるだけあてはめて検討していきます。

労働法 (柳澤武 先生)

現代的な課題についても織り込みながら、経営者や労働者として知っておくべき法的な知識や考え方を講義します。ときには映像教材も使いながら、多くの事例や判例を検討するので、当事者になったつもりで労働法を学ぶことができます。

 

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