ハワイ大学准教授による特別講演会

 国際交流協定校であるハワイ大学ロースクールから、今年も講師を招へいして特別講義と講演会が実施されました。本年度は、ジャスティン・レビンソン(Justin Levinson)准教授をお招きし、下記の内容で講演をしていただきました。

5月27日(金)14:50~16:20
「代理、受託者の義務およびベンチャーキャピタル:アメリカ会社法における新たな傾向」
   通訳 伊川正樹 准教授

 これは、伊川准教授が担当する「外国法Ⅰ」の特別講義として行われたもので、レビンソン先生が通常、ハワイ大学ロースクールで教えられているアメリカ会社法の基礎的な内容についてわかりやすく説明されました。

5月28日(土)13:30~16:45
「アメリカの陪審制度を批判する:数十年にわたる実証研究からの教訓」
   進行・通訳 伊川正樹 准教授
   ゲストコメンテーター 東川浩二 教授(金沢大学)

 土曜日にもかかわらず多くの学生が参加し、アメリカ陪審制度に対する関心に高さがうかがえました。特にレビンソン先生は、心理学的な手法を用いて法的な問題を分析するというユニークな研究をされており、その成果に基づいた講演内容とあって、これまで知らなかった陪審制度の問題点が浮かび上がり、大変興味深い内容でした。
 また、ゲストコメンテーターの東川先生から、日本の司法制度や裁判員制度が抱える問題点が指摘され、アメリカの陪審制度と対比する際の基本的な視点が示され、より理解が深まりました。
 参加した学生からは、アメリカの陪審員にはどの程度の守秘義務が課されているかとか、陪審員が有罪判決を受けた被告人から仕返しをされるようなことはないかなど、主に日本の裁判員制度において問題とされている点に関する質問が出され、予定の時間を超過して熱心に質疑応答が行われました。