尹聖理教授

 さる10月9日(水)に、慶煕大学校政経大学政治外交学科の尹聖理教授を講師としてお招きし、法学会講演会を開催いたしました。この講演会は、名城大学と慶煕大学との間に締結された国際交流協定に基づき、今回はじめて開催されたものです。尹教授の専門は政治外交学であり、今回は「韓国の大統領選挙と朴政権の外交政策」というテーマにそって、90分にわたり熱のこもった講演をしてくださいました。
 
 韓国は、国民の直接投票によって選ばれる大統領の権限が強い政治制度を採用しています。議院内閣制をとる日本とは異なる政治制度をとっているわけですが、尹教授によれば、投票率の低下(とりわけ若者の選挙離れ)や、いわゆる“小さな政府”論をめぐる議論、リーダーにクリーンさを強く求める有権者の傾向など、日本の国政選挙との類似点が韓国の大統領選挙においても数多く見られるということです。

 尹教授は実証的な見地から詳細なデータを駆使しつつ、これらの点について丁寧に解説してくださいました。その中でもとりわけ、朴政権は保守層の支持を基盤にしつつも大統領自身はその経歴や政策を鑑みると実はリベラルに近い立ち位置にある、という尹教授のご指摘は、同政権の外交政策を考える上でも示唆に富むものだと言えるでしょう。

記念撮影

 講演会には100名を越える聴衆が集まり、尹教授の言葉に熱心に耳を傾けていました。今後の日韓関係を考える上で、非常によい刺激を受けることができたのではないかと思います。