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2011-06-17  講演会
ハワイ大学准教授による特別講演会

 国際交流協定校であるハワイ大学ロースクールから、今年も講師を招へいして特別講義と講演会が実施されました。本年度は、ジャスティン・レビンソン(Justin Levinson)准教授をお招きし、下記の内容で講演をしていただきました。

5月27日(金)14:50~16:20
「代理、受託者の義務およびベンチャーキャピタル:アメリカ会社法における新たな傾向」
   通訳 伊川正樹 准教授

 これは、伊川准教授が担当する「外国法Ⅰ」の特別講義として行われたもので、レビンソン先生が通常、ハワイ大学ロースクールで教えられているアメリカ会社法の基礎的な内容についてわかりやすく説明されました。

5月28日(土)13:30~16:45
「アメリカの陪審制度を批判する:数十年にわたる実証研究からの教訓」
   進行・通訳 伊川正樹 准教授
   ゲストコメンテーター 東川浩二 教授(金沢大学)

 土曜日にもかかわらず多くの学生が参加し、アメリカ陪審制度に対する関心に高さがうかがえました。特にレビンソン先生は、心理学的な手法を用いて法的な問題を分析するというユニークな研究をされており、その成果に基づいた講演内容とあって、これまで知らなかった陪審制度の問題点が浮かび上がり、大変興味深い内容でした。
 また、ゲストコメンテーターの東川先生から、日本の司法制度や裁判員制度が抱える問題点が指摘され、アメリカの陪審制度と対比する際の基本的な視点が示され、より理解が深まりました。
 参加した学生からは、アメリカの陪審員にはどの程度の守秘義務が課されているかとか、陪審員が有罪判決を受けた被告人から仕返しをされるようなことはないかなど、主に日本の裁判員制度において問題とされている点に関する質問が出され、予定の時間を超過して熱心に質疑応答が行われました。
2011-06-16  資格支援
実務家講演会

 6月10日16時30分から、名古屋高等検察庁の白井玲子検事を講師に迎えて、実務家講演会を開催しました。
 「検察の仕事と裁判員制度」と題して、検察官による捜査・公判活動がどのようなものか、そして裁判員制度の創設に検察官がどのように対応してきたのかを説明していただきました。真相を探り、どのような解決がよいか考える検察官の仕事のやり甲斐や、女性検事・検察事務官の増加など、検察官という職業の様々な側面が紹介されました。
 また、法学部での学習についても、実務経験に立脚したメッセージをいただきました。一例として、裁判員にわかりやすい主張立証のやり方を工夫してきた検察庁の経験を説明する中で、わかりやすいプレゼンテーションには、形式よりも伝えたい中身を本当に理解していることが重要であり、友人や家族にわかりやすく説明できるか試してみれば法学部での学習内容を本当に理解しているかが分かるということが紹介されました。
 その後の質疑応答では、参加した学生から活発な質問がありました。白井検事には、検察官の仕事の忙しさといった日常に関するものから、取調過程の全面可視化といった刑事司法の最新の動向に関するものまで、様々な質問に丁寧に答えていただきました。