
11月5日の3時限目と4時限目に、「政治学入門」(仁井田崇准教授・松本俊太教授担当)の講義内で、愛知県選挙管理委員会事務局の小田健太主事・大野翔太郎主事をお招きし、特別講義「日本における選挙制度と選挙を巡る最近の状況」を行っていただきました。
講義の内容は、構成は例年どおり、「投票率と投票行動」「日本の選挙制度」「選挙を巡る最近の状況」「愛知県選挙管理委員会の啓発の取組」の4つでした。近年の小中高校では、主権者教育が充実していたり、授業時間中に課題に取り組むことが多くなったりしています。こうした学びを経た世代が大学に進学する時代になっていることから、今年は、法学部の専門科目ならではの高度な話や、講義の途中で簡単なディスカッションが組み込まれました。

また、「選挙を巡る最近の状況」のセクションでは、公職選挙法の一部改正による、選挙運動用ポスターの品位保持規定の新設、および関連して、選挙におけるSNSの活用や、いわゆる「2馬力選挙」の問題といった、最近の日本の選挙運動で発生した諸問題に対する取り組みが紹介されました。選挙管理委員会の仕事は、これまでこの特別講義で強調されてきた投票率の向上の他、公正で明るい選挙の実施が含まれます。これらを同時に実現するには、社会の側から有権者や候補者の行動を論じる政治学と、世の中で発生する問題を解決するための法学、この両方を修めることが必要になります。この特別講義が、狭い意味での選挙のみならず、今後の法学部における学業全般に対して、受講生に何らかの示唆を与えることが期待されます。