6月22日(土)、交流協定校であるハワイ大学ロースクールから講師を招き、「アメリカ法セミナー」と銘打って講演会を実施しました。ハワイ大学ロースクールとの国際交流協定はすでに20年以上にわたって行われており、今年度も例年と同様に、同校の教授を派遣してもらい、アメリカ法に関するトピックスを取り上げて講演を行っていただきました。
今年度招へいしたのは、デビッド・フォーマン(David M. Forman)教授。ハワイ大学ロースクールの環境法プログラムの責任者であり、国際自然保護連合(IUCN)の会員であるとともに、ハワイ先住民の権利に関する専門家でもあります。
今回のセミナーでは、「環境法と将来世代」というテーマで講義をしていただきました。ハワイ州憲法を含めた各州憲法で規定されている「将来世代の利益」という概念が持続可能性を重視する環境政策の鍵になるという基本的な認識が示された上で、そのような認識が国際法及び各国憲法にも見られることを明らかにする大変に興味深い内容でした。
同日は土曜日の午後にもかかわらず50人程度の参加者があり、多数の学生から質問が出るなど充実したセミナーとなりました。
なお、その前日には、法学部の「外国法Ⅰ」(植木教授)内で、「アメリカ合衆国及びハワイ州における環境法の概論」というテーマで特別講義を行っていただきました。本講義では、アメリカ合衆国における連邦レベルでの環境法に関する概説があった後に、ハワイにおける環境保護をめぐる紛争として、高速道路の建設、海岸でのホテル建設、信仰の対象となってきた山(Mauna a Wakea)の山頂での天文台建設などの事例に関する紹介があり、環境問題だけでなく先住民の権利などの問題も含めて考える機会となりました。
5月29日と6月19日の2回にわたり、国際専門研修プログラムの1つとして「法文化セミナー」を開催しました。講師として名古屋大学法学研究科のジョルジオ・ファビオ・コロンボ准教授を招き、代田准教授担当の国際法文化プログラム科目・法文化3を受講する2年生が中心となって参加しました。
5月29日の「大陸法システムの誕生」は、古代ローマ帝国から、フランク王国を経て、イタリア、フランス、ドイツの基礎ができてゆく歴史を辿りました。6月19日の「フランス法制」は、大陸法の特徴、特にフランスの法制度について学びました。パワーポイントを使用し、地図や絵を見ながら、ゆっくりとした英語で説明されるので、学生にとっても聞き取りやすかったでしょう。
授業の後は、デービッド・グリーン准教授も交え、学生たちとコロンボ准教授との交流の場を設けました。日本以外の国では就職までどのような形をとるのか、小学生が金融のことを勉強したりするのかなど、学生たちは次々と質問し、コロンボ准教授がイタリアの状況、グリーン准教授がアメリカの状況について説明する内容に熱心に聞き入っていました。各国にはそれぞれの社会に対応した独自の教育制度や就職状況があることを知り、日本の諸制度を相対化して見る眼を養うよい機会となったことでしょう。
6月26日(水)、台湾の世新大学から講師をお招きして、台湾法セミナー「台湾社会の変遷と民法の『姓氏規定』に関する改正」を開催します。アジア学術交流支援プログラムの一環として開くもので、日本と縁の深い台湾の家族法をテーマとする講演会です。
テーマ |
台湾社会の変遷と民法の「姓氏規定」に関する改正 |
講 師 |
陳 添輝(世新大学法学院教授)
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日 時 |
令和元年6月26日(水)3限(13:10~14:40) |
場 所 |
天白キャンパス10号館2階 会議室
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事前の申込みなどは不要です。直接会場にお越しください。多数のご参加をお待ちしています。
6月21日(金)・22日(土)、ハワイ大学ロースクールからデビッド・フォーマン(David M. Forman)教授をお招きし、国際専門研修プログラムの一環としてアメリカ法セミナーを開催します。
講演自体は英語で行われますが、通訳がつきますので、テーマに関心のある方は是非ご参加下さい。
日 時 |
6月21日(金)13:10 ~ 14:40 (外国法Ⅰ講義内で実施) |
場 所 |
共通講義棟北 N-106 |
テーマ |
「アメリカ合衆国およびハワイ州における環境法の概要」 |
日 時 |
6月22日(土)13:10 ~ 16:20 |
場 所 |
共通講義棟北 S-203 |
テーマ |
「環境法と次の世代」
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事前の申込みや予約は不要です。上記の時間に直接会場にお越し下さい。多数のご来場をお待ちしています。