12月22日、神田真秋前知事をお迎えして、特別講演会を実施しました。
講演の冒頭で、「法律家・弁護士は政治家に向いているか」という問題提起をされました。これに対しては、そのような問題を考えること自体は興味深いが、そもそもそのような問題提起の仕方が愚問であり、真の政治家・真のエリートとは、さまざまな階層の意見を受容することにあるのだという力強い見解が示されました。
今回の講演では、「社会が豊かであり続けるために」というタイトルでお話をしていただきましたが、これを選んだ理由としては、現在の社会が、「豊か」とは言えない状況であるためというお話でした。
「幸福度世界一」と言われるブータン王国との比較の中で、物質的なものだけでなく、精神的・文化的な面での幸福度というものをもっと考えるべきではないかという動きが世界的にも広がっているということでした。
愛知万博については、開催を決定してから17年の間に、幾度の景気変動や世界の関心の変化があり、そうした不可避的な要因を乗り越え、信念を変えないことと、必要であれば方針を変えて対応することが政治にとって必要なことであると述べられました。
また、大震災を経験して、パラダイムシフトが起こるだろうとも述べられました。その例として、エネルギー革命の進行や文化・芸術への関心の高まりということが挙げられました。
最後に、座右の銘である「静かな眼」をもつこと、行政の長の仕事は「種をまく」ことであること、そして若者に対するメッセージとして「青春とは待つことだ」という引用が紹介されました。
22年間にわたる行政の長としての経験にもとづくお話は、大変説得力のあるもので、聴衆もそのお話に引き込まれていました。