2月6日(木)、矢嶋光准教授(国際政治学)が法学会出版助成を受けて出版された、『芦田均と日本外交:連盟外交から日米同盟へ』(吉川弘文館)の出版報告会を開催しました。
報告会ではまず、矢嶋准教授から芦田均の人となりが写真を使って紹介され、引き続き同書の内容についての報告がありました。戦後、再軍備論を主張した芦田は先行研究ではリアリストとして位置づけられています。それに対して矢嶋准教授は、戦前、国際連盟成立から始まった理想主義的な「新外交」に芦田が強い影響を受けている点に着目し、新たな芦田均像の提示と戦後日本外交における再軍備論の整理を試みました。そして戦後の芦田の再軍備論はリアリズムに基づく自主防衛論者のそれではなく、国際連合憲章と日本国憲法との整合性という観点から現れたものであると論じました。最終的に芦田の再軍備論は米ソ冷戦による国連の機能不全という現実を前に日米同盟への傾斜という道を辿ったという議論がなされました。
その後、フロアからの質疑応答と議論が行われました。政治学、歴史学、憲法学といった多様な分野からの観点も交えた活発な質疑応答でした。
2月6日(木) 午後1時10分から、矢嶋光准教授が昨年11月に出版した『芦田均と日本外交 ―連盟外交から日米同盟へ―』の出版報告会を開催します。
事前予約や申込みは不要です。下記の日時に直接会場までお越しください。矢嶋先生の授業・ゼミを受講している学生・大学院生の皆さんをはじめ、多くの方のご参加をお待ちしています。
報告者 |
矢嶋 光 (法学部准教授) |
日 時 |
2月6日(木)13:10~14:40 |
場 所 |
名城大学天白キャンパス 10号館2階 大会議室 |
●矢嶋 光
『芦田均と日本外交 ―連盟外交から日米同盟へ―』(吉川弘文館、2019年11月)
4月18日(木)、渡邊亙教授(地方自治法)が執筆された、法学会選書『法律の留保に関する比較研究』の出版報告会を開催しました。
報告会ではまず、渡邊教授から同書の内容についての報告がありました。憲法における「法律の留保」という法原則について、日本とドイツにおける理解の違いを出発点に、その法原則が権力分立論と地方自治体の条例制定権についてそれぞれどのように適用されているかという比較研究の成果について紹介がありました。特に条例制定権については、両国において全く異なる理論的な出発点に立ちながら、両者が接近しているという理論状況が描かれていました。
その後、フロアからの質疑応答と議論が行われました。憲法学の観点のみならず、刑法学や税法学、政治学といった他分野からの観点も交えた活発な質疑応答でした。
4月18日(木) 午後2時から、渡邊 亙教授が今年3月に法学会選書から出版した『法律の留保に関する比較研究 』の報告会を開催します。
対象は法学会の会員です。事前予約や申込みは不要ですので、下記の時間に直接会場までお越しください。多くのご参加をお待ちしています。
テーマ |
法律の留保に関する比較研究 |
報告者 |
渡邊 亙 (法学部教授) |
日 時 |
4月18日(木)14:00~16:00 |
場 所 |
名城大学天白キャンパス 10号館2階 第一会議室 |
●渡邊 亙
『法律の留保に関する比較研究』(成文堂、2019年)
4月27日(木)、松本俊太教授(政治過程論)が法学会の出版助成を得て今年1月に出版した『アメリカ大統領は分極化した議会で何ができるか 』の出版報告会を開催しました。
報告会ではまず、松本教授から同書の内容についての報告がありました。研究の動機や着想さらにはそれをどのように論じてきたかなど全体のあらましを紹介した後、各章の内容紹介がありました。政党内の凝集性の上昇と政党間のイデオロギー距離が拡大するという分極化が進行するアメリカ政治において、意外に与えられた権限が小さいアメリカ大統領がどのような政策形成(立法活動)を行っているかということを計量分析と比較事例研究で示しました。また、現在のトランプ大統領がもたらす影響についても見解が述べられました。
その後フロアの参加者を交えた活発な質疑応答と議論を行いました。
4月27日(木)、松本俊太教授(政治過程論)が今年1月に出版した『アメリカ大統領は分極化した議会で何ができるか 』の法学会出版助成報告会を開催します。
二大政党の分極化が進行するなかで期待される役割が変容しているアメリカ大統領。同書は、この変化に適応した大統領のあり方とは何かを、過去60年にわたる大統領の立法活動の精緻な実証分析を通じて考察する労作です。現代大統領制の限界や可能性、流動化する国際政治の展望などに関心のある方は、是非ご参加ください。
テーマ |
アメリカ大統領は分極化した議会で何ができるか |
報告者 |
松本 俊太 (法学部教授) |
日 時 |
4月27日(木)10:30~12:00 |
場 所 |
名城大学天白キャンパス 10号館2階 第一会議室 |
事前の申込みなどは不要です。上記の日時に直接会場にお越しください。多数のご来場をお待ちしています。
●松本俊太
『アメリカ大統領は分極化した議会で何ができるか 』(ミネルヴァ書房、2017年)
10月28日(金)、29日(土)の2日間にわたり、現代国際・比較刑事法学研究センター主催により「取調べの可視化の現在と未来 ― 日本・韓国・台湾における理論と実務」と題して日・韓・台の比較法シンポジウムを開催します。
本年5月、長年の懸案事項であった、取調べにおける録音・録画を導入する刑事訴訟法改正案が国会を通過し、3年後に施行されることが決まりましたが、実施に向けて、さまざまな問題点が指摘されています。日本に先駆けて既に取調べの録音・録画制度を実施している韓国・台湾から専門家をお招きし、両国の取り組みや将来的な展望等をご紹介いただきます。
第1日 |
日 時 |
10月28日(金)13:10 ~ 16:20 |
場 所 |
共通講義棟南S-504講義室 |
テーマ |
これまでの道のりと現在地 |
進行予定 |
基調講演 全体討議及びフロアとの質疑応答 第1日目総括 |
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第2日 |
日 時 |
10月29日(土)10:00 ~ 13:00 |
場 所 |
共通講義棟南S-504講義室 |
テーマ |
将来的な展望 |
進行予定 |
基調講演 全体討議及びフロアとの質疑応答 全体総括 |
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パネリスト・コメンテーター |
李東熹 教授 (韓国・警察大学校)
陳運財 教授 (台湾・成功大学)
加藤克佳 教授 (本学法学部)
榎本雅記 教授 (本学法学部)
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講演・討議等はすべて日本語で行われます。また、参加は自由で、事前の連絡や予約は不要です。直接会場にお越しください。
3月3日(木)、片桐善衛教授による名城法学選書第12巻『区分所有法の探究』の出版報告会が開かれました。公法・私法の枠を超えて多くの同僚教員が出席し、片桐先生の長年にわたる研究の成果に惜しみない賛辞が贈られました。
後半はマンションの立替えを巡る最近の高裁判決をもとに討論が繰り広げられ、各参加者がそれぞれの専門分野から鋭い質問や意見を投げかけるなど、予定の時間を大幅に超える充実した報告会となりました。
法学会では、2月に法学会選書を出版された片桐善衛教授による出版報告会を下記の要領で開催いたします。
同書
『区分所有法の探究』は、3月に定年を迎えられる片桐先生のマンション法研究の集大成であり、理論的な面だけでなく実務の観点からもすぐれて意義深い論考集です。是非、ふるってご参加ください。
テーマ |
『区分所有法の探究』 |
日 時 |
3/3(木) 10:30~12:00 |
場 所 |
10号館2階第1大会議室 |
報告者 |
片桐 善衛(名城大学教授) |
対 象 |
法学会会員(申込不要) |
主 催 |
法学会 |
お問い合わせは、法学部事務室(共通講義棟北2階)まで。
7月23日、本年3月に法学会選書を出版された肥田進名城大学名誉教授による出版報告会が開催されました(成文堂
『集団的自衛権とその適用問題』)。
報告会ではまず、肥田先生から著書の内容についての報告がありました。本書は、国連創設時の国連憲章51条の制定過程について特に適用対象に関心をもって明らかにした分析と、それにかかわったダレスの外交姿勢に影響を与えた要因について彼個人のパーソナリティに焦点を当てた分析の2つの分析を主なテーマとしています。特に前者では様々な条約の共同防衛条項を分析し、2(3)国間同盟と地域機構では条項の根拠が異なっていることが明らかにされました。
引き続き、現在法学部で国際政治学を担当している矢嶋光助教による討論が行われました。矢嶋先生からはまず同書の学術上の意義について言及があったのち、集団的自衛権概念の形成史から見た本書の位置付けやこの概念の歴史的背景などについてのコメントがありました。また、ダレス研究における本書の位置付けやダレス自身の外交姿勢の変化についての議論が提起されました。
その後フロアからも質疑応答をおこないました。報告会は予定の時間を超過するほどの白熱したものとなりました。