11月26日(土)、天白キャンパスにて2016度名城大学法学部公開講座を開催しました。本年度は松本俊太准教授を講師に「国民がうごかすアメリカのしくみと2016年大統領選挙」と題して講演と質疑応答をおこないました。
講演は3部構成で行われました。まず、建国の歴史からアメリカを振り返り、連邦制と厳格な三権分立から内政における大統領の権限は非常に弱いこと、同時に政党は非常に緩やかな集合体であること、さらに2大政党である民主・共和両党の特徴の説明がなされました。第2部ではトランプ候補の勝利という大方の予想に反する結果となった2016年大統領選挙について、予備選挙から本選挙に至る制度の説明を交えながら解説がおこなわれました。そして第3部ではアメリカ政治の普遍的な要素を言い当てたトクヴィルの著書から、アメリカ人は権力や多数派を信用せず、最小単位である街や自発的団体を通じた活動を重視するといった、国民が政治を動かす仕組みが説明されました。加えて近年の民主・共和両二大政党の分極化という政治状況の解説がなされました。最後にこのようなアメリカ政治の特徴からトランプ新大統領も派手な選挙公約のどれほどが達成できるかは疑問だという展望が示されました。松本准教授は本年8月までアメリカで在外研究をおこなっており、まさに現地で体感した経験も交えた内容となりました。
好天にも恵まれ、90人近い聴講者が集まり、講演と質疑応答が予定時間を超過するほどの盛り上がりを見せた公開講座となりました。