7月5日(金)に、世新大学法学院の張嘉尹教授による講演が行われました。
名城大学法学部と世新大学法学院の間の交流協定に基づいた講演会の開催は去年に続いて二回目です。今回の講演者は憲法と法理学を専門とされる張嘉尹教授で、テーマは「台湾における違憲審査制度の発展―歴史的回顧および未来への展望」でした。
台湾の憲法は孫文の考え方に基づく五権憲法であり、五権(立法権、行政権、司法権、監察権、考試権)の一つ司法権を担当する機関が司法院です。司法院の下には、最高法院を頂点とする各級法院と二つの級からなる行政法院、大法官会議、そして公務員懲戒委員会が置かれています。その中の大法官会議は憲法解釈が役割の一つです。もし違憲問題が生じた場合は、大法官会議が判断することになります。
張教授の講演はこの大法官会議の憲法解釈制度に関し、その歴史的な発展過程、そこにみられた議論について述べるものでした。台湾の司法制度は日本とかなり違う点があるということで、張教授は簡単な台湾の司法制度の概要説明のうえで、本題に入られました。学生たちにとっては初めて聞く話ばかりだったのではないでしょうか。少々難しかったかもしれませんが、台湾の法制度を知る非常によい機会であったと思います。