本ゼミは、例年、他大学ならびに若手税理士との「税法ディベート大会」に参加しています。今年度も、「名古屋青年税法ディベート大会」(10月12日)、「四大学税法ゼミディベート大会」(11月9・10日)、「三大学税法ゼミディベート大会」(12月7日)にそれぞれ出場しました。
名古屋青年税理士連盟との間で行われたディベート大会
(中垣会長、名青税チーム、審査員と4年生ゼミ生)
名古屋青年税理士連盟(中垣吉晴会長)との間で行われた「名古屋青年税法ディベート大会」には、本ゼミの4年生が、現役若手税理士とディベートで対戦しました。今回は所得税の必要経費該当性が争われたテーマで対戦し、審査の結果、惜しくも敗戦を喫しました。そして、例年はディベートを2試合行っていましたが、今回新たな試みとして、ディベートとは異なる形式でのディスカッションを実施し、本ゼミの3年生が出場しました。消費税の課税仕入れに関するテーマを学生・税理士双方があらかじめ調べた内容をともに検討するというもので、普段、あまり深く追究しないようなテーマについて検討する機会となり、十分に学習の成果が発揮された内容となりました。
今年で5回目を迎えるこの大会では、毎回、税理士の方々のご支援をいただいて懇親の場を持たせていただいています。税法に関する問題だけでなく、実務界の話題や社会常識など、さまざまな形で交流を深めることができました。
四大学ディベート大会(4年生の対青山学院大学チーム)
また、11月に本学で実施された「四大学税法ゼミディベート大会」には、4年生が出場しました。本学のほか立命館大学、青山学院大学、関西大学の四大学が出場して2日間にわたり合計6試合が行われました。本学の3チームの結果は2勝1敗でしたが、昨年に引き続き同成績で3大学が並び、ポイント差で立命館大学が優勝、本学は惜しくも準優勝という結果に終わりました(青山学院大学が3位、関西大学が4位)。
三大学ディベート大会(3年生の対香川大学チーム)
その1か月後に「三大学税法ゼミディベート大会」が立命館大学を会場として行われました。本ゼミの3年生13人が出場し、香川大学、立命館大学の各チームと対戦しましたが、いずれも惜敗を喫してしまいました(優勝は立命館大学)。
本年度も優勝という結果を残すことができませんでしたが、ディベートに参加・関与したゼミ生たちは、充実感と新たな課題を発見することができました。今回も学生たちにとって大変有益な機会を持つことができたと思います。また、ディベートの取組みを通じて、仲間や先輩・後輩と協力して一つの物事をやり遂げることの難しさ、大切さなど多くのことを学んだと思います。
これで卒業を迎えるゼミ生たちは、これからは社会人としてこの経験を生かすとともに、卒業後も後輩たちの活躍を気にかけてほしいと思います。また、3年生は今年負けた悔しさを来年「倍返し」するとともに、先輩たちから受けた支援を後輩たちに引き継ぐことで、良き伝統をつなげていってほしいと願っています。
平成25年12月13日と16日の2日間にわたって、附属高校特別推薦合格者を対象に、入学前教育の一環として模擬裁判を行いました。
これは、法学部の特設科目である「実践法教育」の受講者が、4月から1年間かけて準備してきた模擬裁判を高校生とともに実施するものです。今年度は、本科目の受講生(学部生42名)と進学予定者(附属高生35名)とが参加しました。
13日は、共通講義棟北3階の模擬法廷を使用して、「実践法教育」受講者が作成したシナリオにもとづき、大学生が裁判官、検察官、弁護人、被告人、証人等の役割を本物の裁判さながらに演じました。高校生はメモを取ったりしながら、この裁判の様子を熱心に見学しました。その後、次回、評議を行うグループに分かれて、事件に関する補足的な質疑応答や評議の進め方等について説明が行われました。
16日には、大学生、高校生が6つのグループに分かれ、大学生が法の専門家である裁判官役、高校生が裁判員役となり、殺人の容疑がかけられている被告人が有罪か無罪かを判断しました。いずれのグループでも大学生のリードに基づいて熱心な議論が展開されました。なかには、今回の模擬裁判のシナリオを暗記するほどに読み込んで準備してきた高校生もいて、かなり突っ込んだやり取りがみられました。また、大学生から説明のあった推定無罪や乗り降り自由の原則(最初に有罪または無罪という意見を表明しても、途中で自分の意見を自由に変えてよいという考え方)などの法原則を十分理解し、大学生の方が応対に困るほど鋭い質問や意見を投げかける高校生の姿も見られました。
模擬裁判、評議を経験した高校生からは、討議の場で自分の意見を的確に述べることの難しさや、今後の法学部での学習への興味が高まったとの感想が寄せられました。また、大学生の側からは、内容を伝えることや意見を引き出すことの難しさを感じるとともに、内容や方法を工夫することで反応が得られたことの喜びを実感することができたなどの感想がみられました。講義担当者としては、こうした取組みを通じて、この科目(実践法教育)の教育目標の一つである「教えることを通じて学ぶ」ということが実践されたのではないかと感じています。
また、今回で3年目となる模擬裁判による入学前教育は、前年度附属高生として参加し、今年度は大学生としてこの取組みに参加する受講生が多数いるなど、附属高校と大学との連携、またこうした取組みの継続性の重要性を実感する機会ともなりました。