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2013-10-15  講演会
尹聖理教授

 さる10月9日(水)に、慶煕大学校政経大学政治外交学科の尹聖理教授を講師としてお招きし、法学会講演会を開催いたしました。この講演会は、名城大学と慶煕大学との間に締結された国際交流協定に基づき、今回はじめて開催されたものです。尹教授の専門は政治外交学であり、今回は「韓国の大統領選挙と朴政権の外交政策」というテーマにそって、90分にわたり熱のこもった講演をしてくださいました。
 
 韓国は、国民の直接投票によって選ばれる大統領の権限が強い政治制度を採用しています。議院内閣制をとる日本とは異なる政治制度をとっているわけですが、尹教授によれば、投票率の低下(とりわけ若者の選挙離れ)や、いわゆる“小さな政府”論をめぐる議論、リーダーにクリーンさを強く求める有権者の傾向など、日本の国政選挙との類似点が韓国の大統領選挙においても数多く見られるということです。

 尹教授は実証的な見地から詳細なデータを駆使しつつ、これらの点について丁寧に解説してくださいました。その中でもとりわけ、朴政権は保守層の支持を基盤にしつつも大統領自身はその経歴や政策を鑑みると実はリベラルに近い立ち位置にある、という尹教授のご指摘は、同政権の外交政策を考える上でも示唆に富むものだと言えるでしょう。

記念撮影

 講演会には100名を越える聴衆が集まり、尹教授の言葉に熱心に耳を傾けていました。今後の日韓関係を考える上で、非常によい刺激を受けることができたのではないかと思います。
2013-10-10  講演会
ドゥットゲ教授

 10月10日(木)、ドイツ連邦共和国ゲッティンゲン大学法学部より、グナー・ドゥットゲ教授をお迎えして、「ドイツ刑事訴訟における『取引(Deal)』――連邦憲法裁判所基本判決後の状況――」に関する講演を開催しました。通訳は本学の加藤克佳教授が務められました。
 
 ドイツ刑事手続においては、当初いわゆる取引的司法は法律上・表面上認められていませんでした。しかし、近年、実務では事件負担の増加等を理由に、水面下では事実上の司法取引がなされている実態が明らかにされてきました。そこで2009年、ドイツでは立法によりこのような現実を法制度化し、さらに本年2013年には連邦憲法裁判所において基本判決が出されたところです。
 
 本講演では、以上のような取引に関するこれまでの経緯が説明され、立法化された取引司法について、主に批判的な観点からの検討がなされました。具体的には、刑事訴訟の基本原理、手続の公正性・公開原則、黙秘権、裁判所の中立性等との関係において、現行取引司法には多くの問題点があること、さらには法律の定めから一部外れた実務運用がなされていることも各種データを用いて明らかにされました。
 
 聴講された学生の皆さんにとっては、やや専門性の高いお話しであったため、難しかったかもしれませんが、講演最後では日本やアメリカ合衆国との比較に関する質問もなされ、比較法的視点という面からも有意義な講演であったと思います。
2013-10-04  講演会
法学部公開講座のお知らせ

 10月26日(土)14時より、法学部公開講座を開催します。今年度は、「地方分権と政令指定都市制度:大都市が果たすべき役割」と題して、行政学を担当している髙松淳也准教授が講師となります。

 現在、道州制の導入や政令指定都市制度の見直しなど日本の地方自治制度についての議論が活発になされています。そこで本講座では日本の地方自治体の制度についてその歴史的な背景を理解した上で、現在の制度が抱えている問題点について考え、議論の整理をします。さらに、今夏の参議院選挙や先日の堺市長選挙後の政治状況も踏まえて、今後の地方自治の展望について、おもに名古屋市のような大都市の果たす役割を中心に探ります。

  【日 時】10月26日(土) 14:00~15:00
  【会 場】共通講義棟北 N-103
  【テーマ】地方分権と政令指定都市制度:大都市が果たすべき役割
  【講 師】髙松淳也 法学部准教授

 聴講は無料、どなたでも参加できます。ご関心のある方は、ぜひご来場ください。
 詳しくは、こちらをご覧ください。